環境報告書2011

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3.特集て、3月24日、福島原発の近くに、医師1名、医学部生3名、トヨタのエンジニア1名が向かいました。まず、保健所、医師会に行くと、ボランティアの方に30km圏内に入ってとは頼めない。そこに避難所も、診療所もお....

3.特集て、3月24日、福島原発の近くに、医師1名、医学部生3名、トヨタのエンジニア1名が向かいました。まず、保健所、医師会に行くと、ボランティアの方に30km圏内に入ってとは頼めない。そこに避難所も、診療所もおけないという状況でした。そこで、富山と愛知の医療チームと共に、30km圏内のギリギリに診療所の設置をして医療的な支援をしました。そこで感じたことは、現地の人に触れ、現状を知ることで、支援だけではなく、こちらの防災活動の役に立てられないかということ。例えば、明日ここで地震が起きたら、人的支援に行く状況ではない。もっとこちらの防災を固めて、「こっちは大丈夫、もう1回支援に行くよ!」と言いたい。だからこそ、学生一人ひとりがもっと意識を持つ。漠然的な知識はあるが、いざ地震が起きたときにどこに行けばいいのか、戸惑っている部分であるので、避難について、もっと呼びかけていきたいと思いました。また、“team M”からゴールデンウィークに人的支援に行った杉浦から述べさせて頂きます。朴:ありがとうございました。じゃあ、次は杉浦さんお願いします。杉浦:私も福島に行き、まず瓦礫撤去をしました。福島は原発が怖いということでボランティアが入らず、震災1カ月後に杉浦真帆人文学部(災害ボランティア)もかかわらず瓦礫の撤去が始まっていません。少人数の私たちでは全然進まず、津波の被害に遭った家は、未だ片付いていない状態で、まだまだ支援が必要です。また、避難所を訪問し、炊き出しやハンドマッサージをする機会を頂きました。みなさん明るくて、逆にこちらが元気をもらうくらいでした。「三重から来たんですよ」と言うと、三重の旅行の思い出を話して下さる。その明るさの裏にはいろんな悲しみがあると思いますが、復興に向けて皆さん前向きです。一緒に活動した福島大学の学生もボランティアセンターを立ち上げて活動していますが、彼らも被害者です。彼らは福島が大好きで、僕たちが復興していくんだという気持ちが強い。その姿を見ていると、私たちは三重で遠いのですが、ずっと支えていきたい。また彼らは同じことを繰り返してほしくないと言っています。私たちは学生の立場から防災を発信したいと思っています。朴:ありがとうございました。地域の方々とコラボを組んで支援に行き、現地の方々とコミュニケーションを取り、大きな絆を作ってくれました。続いて、危機管理をしっかりやることになると、やはり県とのコラボは大変重要です。その第一線で大変な作業をされている小林さん、よろしくお願いします。小林:3月11日の震災は、三重大学と一緒に開催した「三重企業防災ネットワーク」設立大会途中に非常に強く長い揺れがあり、津波警小林修博報、沿岸には大津波警三重県防災危機管理部地震対策室長報発表。しかし最初の気象庁発表の津波の高さはそれほど高くなかった。マグニチュードも最終的には9.0。発表がどんどん変わっていった事は、一つの課題として残ってくると思います。その中で伊勢・三河湾と三重県南部に津波警報の発表。県は災害対策本部を作り、被害状況の確認、そして国からの警察・消防・防災ヘリなどの派遣要請に基づき被災地の支援に携わったわけです。三重県の津波は、鳥羽の1.8mが最高で、床下浸水が数軒。漁業被害は大きかったが、幸い沿岸は大きな被害はなかった。ただ、津波警報が発令されると市町が避難勧告、避難指示を発します。今回、県内で避難所に避難された方は、対象人数の0.7%。これは今後の地震対策の課題であります。被災地への物資提供は、県民のみなさまの強い思いで1万5000箱、他県より比較的早く、3月18日宮城県を中心に物資を送らせて頂き、4月上旬まで続けました。また、人的支援として、多賀城市・塩釜市・南三陸町の避難所の運営支援、現地から三重県に避難をされている212名(7月19日現在)の方々に対して支援を行っています。その後、県は防災対策の強化として、東日本大震災支援プロジェクトという組織を設け、東北被災地支援と県内の防災地震対策というセクションをきれいに分けました。私は、県内の防災地震対策を中心にさせて頂いており、4月に宮城県へ支援に行きました。三陸のリアス式海岸は、三重県南部と良く似た地形でした。もしも同じような地震が起きたら大変な状況になりうるのではと感じました。また、避難の問題。東日本は宮城沖地震がかなりの発生確率で起きるということで、防災対策は三重県よりずっと進んでおり、ハザードマップもしっかりした想定に基づいEnvironmental Management Report 2011 19特集