環境報告書2011

環境報告書2011 page 43/84

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6.環境研究■地球環境と都市・建築:サステナブルな都市・建築環境の創造大学院工学研究科建築学専攻/石川幸雄(特任教授)、永井久也(教授)、寺島貴根(准教授)、北野博亮(助教)我が国の建設分野における二酸化炭素排....

6.環境研究■地球環境と都市・建築:サステナブルな都市・建築環境の創造大学院工学研究科建築学専攻/石川幸雄(特任教授)、永井久也(教授)、寺島貴根(准教授)、北野博亮(助教)我が国の建設分野における二酸化炭素排出量は全産業のうち約1/3を占めているとも言われ、この分野での環境対策は急務です。建築環境工学・建築設備分野では、空間の快適性をデザインすると共に、地球環境時代にふさわしい都市や建築の環境およびそれらを実現する設備を研究しています。エネルギー負荷低減、自然エネルギー利用、エネルギー有効利用などの技術をパッシブやアクティブに適用し、地球にやさしく周辺環境と調和し、健康で快適な都市・建築環境の創造を目指します。◎環境調和型バイオミメティック建築に関する研究バイオミメティクス(生体模倣技術)とは、生物が持つ合理的な機能を取り込んだ技術のことです。人間は汗をかいたり、衣替えをしたりして体温を適切に維持する仕組みを持っています。同様の仕組みを建築に応用して、パッシブに外壁表面を水分蒸発で冷却したり、季節によって外壁の日射吸収・反射性状を変えることにより室内の空調負荷を減らすことができるような「汗かき建築」「衣替え建築」を研究しています。◎蓄熱槽の最適設計に関する研究蓄熱槽は、建築空調における太陽熱・深夜電力利用、ピークカット・ピークシフト運転などを可能にする建築設備です。本研究では水蓄熱槽を対象に、連結完全混合型の槽内混合特性や温度成層型の各種流入口流入特性に関して研究を行なっており、より優れた蓄熱槽の開発に寄与しています。◎建築物の省エネルギー性能評価手法に関する研究建築物の省エネルギー性能には、建物単体での断熱性能に代表される省エネルギー性能とその設備計画・運用を含めたシステム全体での省エネルギー性能に大別されます。本研究では、建築物の外皮断熱性能の現場実測により簡易に実測する手法の開発を行なっています。環境研究汗かき建築の実験(平成22年8月)衣替え建築の実験(平成21年8月)◎太陽熱利用・ソーラー建築に関する研究日本では太陽光利用というと太陽電池が主流ですが、電気への変換効率はまだまだ低く、室内暖房への利用として考えた場合、効率の点から太陽光の熱をそのまま利用することがリーズナブルです。日本での太陽熱利用システムにおける最適な設計や運転方法について研究しています。◎ポーラスコンクリート舗装の蒸発冷却効果近年、ヒートアイランド対策の一環として保水性舗装が普及してきました。舗装材料内に保持された水分が蒸発することにより舗装面を冷却する効果があります。舗装面が冷やされることにより照り返しを減じ、都市空間での温熱感を和らげます。その効果を数値的に確かめるため、本研究ではポーラスコンクリート舗装の実験を行うと共に、多孔質材料内での熱と水分の同時移動現象としてモデル解析を行なっています。◎地下構造物の空調熱負荷算定手法に関する研究地下構造物は通常の地上建物とは異なり、その周辺の膨大な熱容量を有する土壌に囲まれています。従って、その熱的な設計を行う際には、周辺地盤の熱性状および降雨などによる水分の影響を十分な精度で予測する必要があります。本研究では、上記の点を考慮した地下構造物の熱的設計手法の開発を行なっています。◎集合住宅共用部のエネルギー使用実態とその予測手法に関する研究近年、建築物の省エネルギー化は進んでいますが、集合住宅共用部分のエネルギー消費実態は殆ど明らかとなっていません。集合住宅における省エネルギー対策は、住宅個々の消費エネルギーに加えて共用部分での消費エネルギーをも含めて全体の省エネルギー化を図ることが必須と言えます。本研究では、集合住宅共用部での年間の消費エネルギー実態を明らかにすると共に、それらを適切に予測・評価する手法の開発を行なっています。Environmental Management Report 2011 41