環境報告書2011

環境報告書2011 page 45/84

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7.環境コミュニケーション作りなど、通常の稲作+αの水田経営の確立が求められます。また、地元農産物を地域住民に販売していくチャンネルして定着しつつある農産物直売所も、現在は消費者にとっては新鮮・安価な農....

7.環境コミュニケーション作りなど、通常の稲作+αの水田経営の確立が求められます。また、地元農産物を地域住民に販売していくチャンネルして定着しつつある農産物直売所も、現在は消費者にとっては新鮮・安価な農産物を購入できる場、生産者にとっては新たな所得獲得の機会となっていますが、その運営は必ずしも磐石ではなく、農産物直売所の新たな発展戦略が必要です。そこで、自治体や農業団体などと連携しながら、これらの理論構築と実践に取り組んでいます。農産物直売所(松阪)の様子■廃ペットボトルの新規なリサイクル法の開発大学院地域イノベーション学研究科/久保雅敬(教授)本研究は、経済産業省ものづくり補助金(製品実証など支援事業)の支援を受けたエムアンドエス研究開発株式会社からの受託研究として行ったものです。ペットボトルは清涼飲料水の透明容器に使われており、その成分はポリエチレンテレフタレートと呼ばれている高分子です。この高分子は、土の中で生分解されにくいので、環境保護という観点から、回収・再利用が行われています。回収されたペットボトルは、異物除去・粉砕・洗浄・乾燥・梱包などの多くのプロセスを経て再加工され、ゴミ箱やベンチなどの成型品へ姿を変えています。しかし、この場合は、たくさんの工程を経ても、結局はポリエチレンテレフタレートのままなので、コスト的には大きな問題点を抱えています。すなわち、多くの時間とエネルギーを費やして、結局は、もとのポリエチレンテレフタレートとして使っているのです。本研究では、ペットボトルの回収をより有意義なものにするため、回収したペットボトルを出発原料として、より付加価値の高い高性能プラスチックスに変える検討を行いました。本研究で着目したのが全芳香族ポリアミド(アラミド)という高分子です。アラミドは鋼鉄の5倍の引っ張り強度を有している非常に強い繊維で、F1マシンのボディ、ゴルフクラブやテニスラケット、宇宙服、通信ケーブルなどに使われています。本研究では、回収した廃ペットボトルをパラフェニレンジアミンという化合物と反応させることで、アラミドへ誘導することを検討しました。廃棄物を高価な高性能樹脂に生まれ変わらせるという、非常にうまい話の研究です。実際は、この反応の途中で高分子鎖が切断されてしまうので、鎖の切断を防止しながら高い効率でアミド結合へ変換する必要があります。本研究では、さまざまな反応溶媒や触媒を探索し、90%以上の反応率でアラミドに変換する条件を見つけることができました。今後は、鎖の切断を最小限に抑え、紡糸成型可能なアラミドを得る検討を更に進めていく予定です。廃ペットボトルアラミドの写真環境コミュニケーション地域環境教育への貢献■高田高校におけるサイエンス・パートナーシップ・プロジェクトへの協力大学院生物資源学研究科/立花義裕(教授)、松尾奈緒子(講師)・大学院工学研究科/山村直紀(准教授)本学では県内の高校が実施しているスーパーサイエンス・ハイスクール(SSH)やサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)に積極的に協力しています。高田高校が実施されたSPPにて、生物資源学研究科の立花教授と松尾講師が高田高校BIOグループの生徒13名に対して「ラジオゾンデによる気象観測」、「植物の環境応答」、「勢水丸伊勢湾海洋調査」、また工学研究科山村准教授が高田高校ENGグループの生徒10名に対して「風力発電・太陽光発電装置の効率的な発電方法」について、それぞれ講義・実験実習を交えた授業を行いました。授業を受講した高田高校の生徒さんから「自分の理科科目に関する学習の取り組み方や環境に対する考え方が、前向きになったことが、一番のSPP講座受講の収穫でした。これからもさまざまな環境問題について深く掘Environmental Management Report 2011 43