"Achtung!(注意しろ)"、ベルリンの早朝、ライ麦パンとコーヒーを買おうと、ホテルの外を歩いていると大きな声が聞こる。時差ボケの頭を背後から一撃される。振り向くと、高速で走る自転車とぶつかりそうになる。ベルリンの市街地では、通勤に自転車を使う人が多く、車道と歩道の間に、自転車の走行路が設けられています。近年では、自転車に加えて、電動キックボードも数多く見かけます。

ベルリンの都市全体が新しい社会に向けて変革しようとしています。スーパーに入っても、目にするのは"BIO"や"ECO"のマークが付された商品です。それらは付加価値が上乗せされ、高めの価格が設定されています。ランチタイムには、少しでも多くの日差しを浴びようと、屋外のテラス席でランチを楽しむビジネスパーソンの姿が見られますが、皿の上には、サラダやスパイスカレーなど、健康に留意した料理が主となって、アイスヴァイン(骨付きの豚すね肉)などのドイツ郷土料理は観光客しか食べないと聞きます。

ドイツ語で「環境」は"die Umwelt"といいます。接頭辞の"um"は「周りを囲んで」「回転する」などの意味を持っています。"Welt"は「世界」なので、「世界を取り囲んで」という原義から「循環世界」という意味が派生します。まさに「環境」とは、生命や物質が循環する、人間を取り巻く世界なのだといえます。文化環境・社会環境・自然環境など、あらゆる領域をまたいで、SDGsの17の目標につながっています。三重大学の国際環境教育研究センターが5学部6研究科すべての部局から委員を選出して構成されているのは、人文科学・社会科学・自然科学の各研究分野の教員がそれぞれの専門的知識を提供して、「循環世界」を総合的にとらえるためです。

ベルリンでの定宿は、ベルリンフィルハーモニーのコンサートホール近くにあるホテルですが、オーケストラはまさに金管・木管・弦楽器・打楽器など様々な楽器が協力して成り立っています。それぞれの奏者がパートごとに異なる音を出しながらも、全体として壮大な交響曲を演奏する。相互に協力しながらも個性を発揮する、そのような活動が理想です。

 

       三重大学 理事(企画・経営担当)副学長
        国際環境教育研究センター長 尾西 康充(ONISHI YASUMITSU)

 

副センター長挨拶

地域共創大学三重大学は「環境・SDGs」方針のもと、教育・研究・社会貢献・業務運営において、常に時代を先取る環境・SDGs活動を行ってきました。2007年11月に環境に関する国際標準規格(ISO14001)の全学一括の認証取得による環境マネジメントシステム(EMS)の構築と運営、2009年8月に日本の総合大学初のユネスコスクール登録、創エネ・畜エネ・省エネによるスマートキャンパス事業、全教職員・学生・企業との連携によるMIEUポイント制度の展開、産官学連携によるリカレント教育、三重県SDGs推進パートナー登録制度の高等教育機関初の登録、国内外の大学間サステイナブルキャンパスネットワーク及び国連環境機関との連携による環境・SDGs活動の国際的展開など、多くの実績と成功事例をあげています。

2030年までに世界のすべての国・自治体・企業・アカデミアなど、全ステークホルダーの連携による国連持続可能な開発目標(SDGs;17の目標、169のターゲット)の達成および2050年までの二酸化炭素など温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す脱炭素・カーボンニュートラル社会の形成において、三重大学は、これまでの実績とノウハウを活かして、大学の社会的責任(USR)を果たし、地域社会の共通価値創造(CSV)の主導的役割を果たすことが求められています。

「国際環境教育研究センター(MieGECER)」副センター長として、センター長をサポートしながら、環境地理学者として、四日市公害から学ぶ四日市学・地球温暖化・国連環境会議での活動を通じて培った国際環境協力の専門性を活かして、持続可能な社会(脱炭素・カーボンニュートラル社会)の形成に、SDGsの基本理念である、「誰一人取り残さない」・「大変革」による、環境・経済・社会の調和の取れた持続可能な「三重大学モデル」を構築し、国内外における「環境・SDGs先進大学」のトップランナーを目指します。

     三重大学 特命副学長(環境・SDGs担当) 副センター長 朴 恵淑(Ph.D. Hye-Sook PARK)