令和5年8月30日、ユマニテクプラザにおいて「四日市CNXプロジェクト キックオフ研究会」を開催しました。
 本学では、産学官連携プラットフォームを基盤に社会的インパクトのある成果を創出するプロジェクトを地域で展開していくことを目的に、令和4年
 4月1日に「地域共創展開センター」を設立し、同年11月に「地域共創展開センタープロジェクト」の一つとして、「四日市CNXプロジェクト」を立ち上げ
 ました。このプロジェクトは、産学官が一体となって、四日市市を世界から選ばれるカーボンニュートラルな環境先進都市へ転換するための基盤形
 成を目指しています。
 キックオフ研究会では、自治体や四日市コンビナート関連企業等の皆様との共同研究等の連携促進を目的に、カーボンニュートラルに資する研究シ
 ーズの紹介、講演を行った教員との名刺交換・情報交換会を行い、80名の皆様にご参加いただきました。

開会にあたり、伊藤正明三重大学長から、「現在、地域共創展開センターでは5つのプロジェクトに取り組んでおり、中でも中心的なプロジェクト
 が、この四日市CNXプロジェクト。カーボンニュートラルは、国を挙げて取り組むべき課題であり、文部科学省からの支援もいただいている。
 大学としても全面的にバックアップし進めていきたい。」と挨拶がありました。


伊藤正明三重大学長

続いて、来賓としてご臨席いただいた森智広四日市市長から、「四日市市は、2050年までにCO₂をはじめとする温室効果ガスの排出量を実質ゼロと
 することを目指す「ゼロカーボンシティ」を本年2月に宣言。いよいよ市も、2050年を目指して本格的に取り組むフェーズに入った。市が設置した
 「四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会」とこのプロジェクトが一緒になってカーボンニュートラルを推進していきたい。」とご挨拶
 を賜りました。


森智広四日市市長

第一部では、まず本プロジェクトの紹介があり、続いて5人の教員から、カーボンニュートラルに資する様々な研究シーズの紹介がありました。

プロジェクト紹介
 本プロジェクトで取り組む3つの柱を中心に説明がありました。
 1. 企業人材向けのカーボンニュートラル教育
 2. カーボンニュートラル研究の産学連携
 3. 企業間連携によるカーボンニュートラル促進


工学研究科 池浦良淳副研究科長

講演① 「脱炭素社会に資するCO₂の電気化学的還元」
 排出されたCO₂の再利用に向け、炭酸ガスを燃料・原料物質に変換する研究、次世代のクリーンエネルギーとして期待されている水素を、水から直接
 製造する研究について紹介がありました。


工学研究科 金子聡 教授

講演② 「2050年CO₂ゼロ社会実現に向けた技術開発」
 「四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会」の「水素・アンモニア拠点化検討部会」及び「共同インフラ設備連携検討部会」にマッチする
 研究として、光触媒によりCO₂を燃料化する研究、太陽熱駆動型バイオガス利用H2製造反応器に関する研究について紹介がありました。


工学研究科 西村顕 准教授

講演③ 「カーボンニュートラルを指向した触媒技術」
 カーボンニュートラルを指向したバイオマスおよびプラスチックから化学品原料と燃料を製造する研究について紹介がありました。


工学研究科 石原篤 教授

講演④ 「バイオものづくりとネガティブエミッション技術の紹介」
 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、既存技術では削減し切れないCO₂を回収するため、究極の低コストSAF培養法の構築を目指す研究に
 ついて紹介がありました。


生物資源学研究科 田丸浩 教授

講演⑤ 「CNXに向けたオンデマンドビデオ教材」
 企業人材向けのカーボンニュートラル教育を行うため、既にプロジェクトで取り組んでいる、本学の環境人材育成教材を活用した教材作成状況に
 ついて報告がありました。


地域イノベーション学研究科 丸山直樹 教授

閉会を迎えるにあたり、今西誠之地域共創展開センター長 兼 北勢サテライト長から、「CO₂の削減は、グローバルな課題。本学は、県内唯一の
 国立大学法人として、研究を通じた貢献を目指し本プロジェクトを発足させた。皆様との連携を深め推進したい。」と挨拶があり、第1部の幕を
 閉じました。


今西誠之地域共創展開センター長 兼 北勢サテライト長

引き続き行われた第二部では、参加者と教員との名刺交換・情報交換会(ポスターセッション)、最後の講演を担当した丸山教授による教材動画のデモ
 が行われ、終了予定時刻を超えて活発な交流が行われました。

 

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