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三重大学が目指す新しい環境マネジメントシステムの運用について
三重大学では、2007年度からISO14001の規格に準拠させた環境マネジメントシステムの運用を行ってきました。この16年間では、トップマネジメント(最高環境責任者)として、豊田長康元学長、内田淳正元学長、駒田美弘前学長、そして現在は伊藤正明学長の四代に渡り、環境先進大学を目指して環境教育、環境研究に力を注ぎ学外から高い評価を頂いてきました。マネジメントシステムは時代に限らず必要とされるものですが、本学でも時代に合わせて、当初は3R活動を主とした資源循環、2010年には名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議(COP10)に合わせた環境人財育成、計画的な省エネ活動が必要となった東日本大震災以降の取り組み、さらには京都議定書の2008年から2012年までの約束期間と2015年にはパリ協定の発行となった気候変動問題への対応もマネジメントシステムとして目標項目に加えてきました。
特に2015年以降、SDGs(持続可能な開発目標)は、すべての産業・業種においても取り組みが必要となりました。本学では、率先して、2018年度(2019年1月)から環境方針に「国際的な動向であるSDGsを理解し、大規模な社会的変動に対応します」と一文を加え、伊藤正明学長になった2021年からは、「環境・SDGsマネジメントシステム」と適用範囲を明確に拡大し、環境教育、環境研究、社会貢献活動をさらに推進しています。
この間には、環境マネジメントシステムの要となる環境内部監査員として、延べ750名を超える教職員と学生の養成を行ってきました。マネジメントシステムの基礎は、PDCAサイクルを適切に運用することですが、本学ではC(評価)の機能が充実しています。評価には、外部の評価(ISO14001審査)と内部の評価(内部監査)がありますが、本学は総合大学という特徴から内部監査は、他学部が監査を実施することで第三者的な視点を持った評価が可能となりその成果も多く出ています。
この度、環境マネジメントシステムの適用範囲の拡大と、環境内部監査の充実から、ISO14001審査機関の評価を充足するに十分な評価体制とその運用ができると判断をし、2007年から受審をしていましたISO4001認証審査の受審を取りやめ、認証の自主返上をすることに決定をしました。 ISO14001規格の序文では、「規格への適合を実証」する手段として、外部機関による環境マネジメントシステムの認証・登録を求める以外に、「自己決定し,自己宣言する」という方法が記載されています。本学では、JISQ 17050「適合性評価-供給者適合宣言」の規格に則り、ISO14001規格の「自己適合宣言」を行います。
本学では、これまでと同様にISO14001規格に準拠した活動を「環境・SDGsマネジメントシステム」として運用をしていきます。それら活動報告は、毎年9月に発行する「環境・SDGs報告書」を通じて学内外に周知をします。
今後とも、本学では環境マネジメントシステムを上手く活用し、環境教育、環境研究、社会貢献、業務運営の活動を行ってまいりますので、利害関係者の皆様を含めた学内外のご理解とご協力をお願いいたします。
2024年10月19日
国立大学法人三重大学 地球環境センター長 金子 聡