環境省では、平成10年度から、地球温暖化対策を推進するための一環として、毎年、地球温暖化防止月間である12月に、地球温暖化防止に顕著な功績のあった個人又は団体に対し、その功績をたたえるため、地球温暖化防止活動環境大臣表彰を行っており、平成28年度は、①技術開発・製品化部門②対策技術先進導入部門③対策活動実践・普及部門④環境教育活動部門⑤国際貢献部門の5部門において募集がありました。

三重大学は、対策技術先進導入部門において次の活動が評価されました。

三重大学パンフレット用画像2016_ページ_1.jpg【表彰された活動】"三重大学 低炭素キャンパス(スマートキャンパス)は、創エネ(つくる)・蓄エネ(ためる)、省エネ(せつやく)を進めるために、ガスコージェネレーション設備を中心に、地域の再生可能エネルギー設備を積極的に導入し、学内のエネルギー利用を最適化するために蓄電池を連動させてCO2排出量を削減する活動"

【活動の概要】「世界に誇れる環境先進大学」を目指して、「環境教育」・「環境研究」の実施、地域のニーズに対応する地域貢献、業務運営の合理化を図り、平成32年までに平成2年比で約30%のCO2排出量削減のキャンパス、3R活動による循環型キャンパス、産官学民の連携による自然共生キャンパスを構築し、運営しています。

低炭素キャンパス(スマートキャンパス)は特に平成22年を基準年として平成26年に24%CO2排出削減する具体的な目標を設定し、ガスコージェネレーション(2,000kW)を中心に、太陽光発電システム(全学で254kW)や、風力発電(401kW)の地域のエネルギーを、蓄電池設備(432kWh)の併用など有効に活用しながら学内の多様なコミュニティから排出されるCO2排出量を削減する活動をしています。

【活動内容】本学は、5学部6研究科のすべての学部研究科と、さらに医学部附属病院が同一キャンパスに存在しています。附属病院があるため、エネルギー使用量は24時間電気と熱エネルギーを消費します(平成27年度の年間エネルギー消費量は、原油換算476,660GJ)。電力の使用に特化すると、使用量の約半数が附属病院となる特徴があります。電力と熱の利用が常時必要であることとから、総合的な効率を考慮し、2,000kW(1,000kW×2基)の効力を有するガスコージェネレーション設備の導入し、発電した電気と排熱のすべてを使い切る高効率の運転をしています。

地球温暖化の視点では、買電よりも、CO2排出量の少ない都市ガスを使用して電気を作り、キャンパスで使用する電気のおよそ半分をまかなっています。設備から発生する排熱の具体的な利用は、附属病院の冷暖房や給湯などに利用することができます。この設備は都市ガスが持つエネルギーを電気と熱に変換して、81%も利用することができています。

また、広大なキャンパスを有効に活用し、正門横駐車場にカーポート型の架台を設けて太陽光パネルを60kW設置し、平成24年11月より稼働を始め、学内全体で太陽光発電設備は、254kWとなりました。

さらに風力発電設備の発電量は、平成24年12月より300kWが稼働を始め、一般家庭の約90世帯分(予測年間発電量:33万kWh)の使用電力量に相当します。全学の風力発電設備合計で401kWになります。

低炭素キャンパス(スマートキャンパス)は、平成22年度比で24%削減することを目標として実施し、平成26年度末におけるCO2排出量は26.4%削減と目標を上回る成果を得られました。

表彰式は、平成28年12月5日(月)、イイノホール&カンファレンスセンターにて行われ、学長が表彰状を受け取りました。

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表彰式後は、受賞者フォーラムが開催され、受賞者の活動発表があり、地域イノベーション学研究科特任教授の坂内正明先生から三重大学の低炭素キャンパス(スマートキャンパス)を発表いただきました。

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三重大学は今後も、環境先進大学として、これまでの活動を継続させつつ、最先端の技術導入と創意工夫を凝らした環境活動を推し進めていきます。