1月22日(土)に,日本・韓国・中国・タイの環境とSDGsに取り組む大学間ネットワーク(ASCN)の「第3回アジア・サステイナブル・キャンパス・ネットワーク国際会議(ASCN)2021」に,朴恵淑国際環境教育研究センター長が「The Next Normal; Sustainability Actions for Higher Education during COVID-19」のテーマで基調講演を行いました。
                  
 アジア・サステイナブル・キャンパス・ネットワーク(ASCN)は,日本(CAS- Net Japan),韓国(KAGGI),中国(CGUN),タイ(SUN)のアジアの4カ国の約200 の大学が加盟する大学間ネットワークで,三重大学の朴恵淑国際環境教育研究センター長は,2014年のCAS-Net JAPANの創設時から副会長として中心的役割を担っています。

 コロナ禍によってオンラインで開催された第3回ASCN国際会議の基調講演において,朴センター長は,ウィズ・アフタ-・ポストコロナ時代を乗り越えて,高等教育機関としてのアカデミアの持続可能な活動(教育・研究・国際・社会貢献)のためには,価値観や環境意識を変えるニューノーマルのパラダイム・シフトが必要であること,2021年10月31日から11月13日までイギリス・グラスゴーで開催された,国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で採択された,「グラスゴー気候合意」の達成のためには,世界の全ての国の温室効果ガス削減による世界の気温上昇を1.5度に抑えること,脱化石へのフェーズアウトを先進国は2030年代まで,途上国は2040年代まで行うこと,2050年代のカーボンニュートラル社会の実現に向けて,特に,次世代を担う若者への環境教育やSDGsによるグローカル人材育成が最も重要であることを強調しました。さらに,環境問題による健康被害について,WHOの報告を用いて,このまま地球温暖化が進む場合は年間約25万名の死亡者が見込まれ,大気汚染による死亡者は約700万名が見込まれることを踏まえ,環境問題の解決によって,SDGsの究極的目的である「誰一人取り残さない」の達成が見込まれることを力説しました。
 また,地域共創大学の三重大学が目指すカーボンニュートラル社会形成に向けた,伊藤正明学長のリーダーシップによる「三重大学環境・SDGs方針」の紹介,「三重大学環境・SDGs報告書2021」の紹介,三重大学の学生による環境・SDGs活動の紹介を行いました。
                
 最後に,2022年11月にCAS-Net JAPANの第10回年次大会が,三重大学で開催予定であることを伝え,日本のみならず,韓国,中国,タイからの多くの参加者によるアジアの力を世界へ発信できる,転換点となることを期待したいと述べました。